SOFAスコアは重症COVID-19肺炎の死亡リスク評価に不十分
Discriminant Accuracy of the SOFA Score for Determining the Probable Mortality of Patients With COVID-19 Pneumonia Requiring Mechanical Ventilation
背景
Sequential Organ Failure Assessment(SOFA)スコアはCOVID-19の重症化リスク因子と報告されて、トリアージ戦略でも頻用されているとみられるが、重症患者での生存予測能は。University of Arizona のRaschkeらは、アメリカ南西部18施設のICUで4時間以上人工呼吸管理を受けた連続患者において、SOFAスコアが死亡・ホスピス退院を予測できるか検証した(n=675)。
結論
SOFAスコアの中央値は6で、呼吸器スコアは83.5%の患者で3-4の範囲であった。一方、腎機能スコアは72.1%で0-1、中枢神経系スコアは78.5%で、凝固系スコアは94.2%、心血管系スコアでは95.1%が0-1の範囲であった。59.3%の患者が死亡またはホスピス退院となった。SOFAスコアの予測能はAUROCで0.59であり、年齢の0.66を下回る精度であった。
評価
SOFAスコアの予後予測性能は低く、年齢のそれを下回っていた。こうした不足を補うべく、機械学習を用いて開発されたSCARPのような予測ツール(https://doi.org/10.7326/M20-6754)も登場している。