TIA後の脳卒中リスクを測るCanadian TIAスコアを検証
Prospective validation of Canadian TIA Score and comparison with ABCD2 and ABCD2i for subsequent stroke risk after transient ischaemic attack: multicentre prospective cohort study
背景
一過性脳虚血発作(TIA)を経験した患者ではその後の脳卒中リスクが上昇する。カナダUniversity of OttawaのPerryらは、救急TIA患者の脳卒中リスクを層別化するために開発されたCanadian TIA Scoreを、同国13施設救急部門のTIA・マイナーストローク連続患者(n=7,607)において検証した。
結論
7日以内に108名(1.4%)が脳卒中を経験し、83名(1.1%)が頸動脈内膜剥離術・頸動脈ステント留置術を受けた。Canadian TIAスコアは、脳卒中またはCEA/CASのリスクが低いグループ(1%未満)に16.3%、中程度のグループ(1-5%)に72.1%、高いグループ(5%超)に11.6%の患者を分類した。実際の脳卒中・CEA/CASリスクはそれぞれ0.5%、2.3%、5.9%であった。Canadian TIAスコアのAUCは0.70であり、既存のリスクスコアであるABCD2(0.60)およびABCD2i(0.64)よりも高精度であった。
評価
病歴、身体所見、救急で利用可能な検査の計13変数からなるリスクスコアで、既存スコアを上回るパフォーマンスを実証した。初期のリスク評価における強力なツールとなるだろう。