院外心停止アウトカムの男女差をさらに詳細に検討する
Gender-Based Differences in Outcomes Among Resuscitated Patients With Out-of-Hospital Cardiac Arrest
背景
近年のエビデンスは、院外心停止のアウトカムに男女差が存在することを示唆している。University of Texas Southwestern Medical CenterのModyらは、CCC試験に登録された蘇生に成功した院外心停止患者(n=4,875)において、各種の変数について調整した性別と生存率の関連を評価した。解析結果はALPS試験の参加者で追試された。
結論
37.4%が女性、62.6%が男性であった。女性患者は年齢が高く、バイスタンダーによる心肺蘇生が少なく、目撃あり、ショック適応の初期リズムの割合が低かった。DNR指示、WLST指示の割合はそれぞれ女性で高かった。生存退院率は女性で優位に低かった(22.5% vs. 36.3%; 調整オッズ比0.78)。性別と生存退院率との関連はDNR指示・WLST指示の状況により異なり、DNR指示を行っていない患者(31.3% vs. 49.9%; 0.74)、WLST指示を行っていない患者(32.3% vs. 50.7%; 0.73)では女性の生存率が有意に低かった。DNR指示・WLST指示が行われていた患者では男女差は認められなかった。性別と蘇生後アウトカムの関連は二次コホートでも一貫していた。
評価
女性の心停止患者は、一次救命処置を受ける率が低いだけでなく、自己心拍再開率が高いにもかかわらず生存率が低いことが報告されている。蘇生に成功した患者に絞って検証した本研究では、蘇生後治療にもいくつかの顕著な性差が存在することが明らかにされた。蘇生後ケアの意思決定において何が生じているのかを明らかにすることが、次なる検証課題となろう。