重症AKI患者でのRRTは遅すぎてもいけない:AKIKI 2試験
Comparison of two delayed strategies for renal replacement therapy initiation for severe acute kidney injury (AKIKI 2): a multicentre, open-label, randomised, controlled trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Lancet
年月
April 2021
397
開始ページ
1293

背景

急性腎障害(AKI)患者での腎代替療法(RRT)のタイミングについては、AKIKI試験をはじめとして複数のランダム化比較試験が行われ、早期RRTにベネフィットが存在しないことが確定している。フランスUniversite Sorbonne Paris NordのGaudryらは、同国39施設のICUにおいて重症AKI(KDIGOステージ3以上)患者を72時間以上の乏尿、またはBUN濃度が上昇するまでモニタリングし、基準を満たした患者をただちにRRTする晩期RRT群、または絶対適応(著明な高カリウム血症・代謝性アシドーシス・肺水腫)まで延期する超晩期RRT群に割り付けるランダム化比較試験AKIKI 2を実施した。

結論

5,336名の患者が評価され、278名がランダム化された。AKIまたはRRTに関連する可能性のある合併症は両群同程度であった。28日目までの非RRT生存日数は、晩期RRT群で中央値12日、超晩期RRT群では10日であった。多変量解析における60日死亡ハザード比は、晩期RRT群と比して超晩期RRT群で1.65であった。

評価

必須適応までRRTを遅らせた患者では死亡が増加した。AKIKI試験(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1603017)で示された地点を超えてRRTを遅らせることは危険と考えられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)