重症AKI患者でのRRTは遅すぎてもいけない:AKIKI 2試験
Comparison of two delayed strategies for renal replacement therapy initiation for severe acute kidney injury (AKIKI 2): a multicentre, open-label, randomised, controlled trial
背景
急性腎障害(AKI)患者での腎代替療法(RRT)のタイミングについては、AKIKI試験をはじめとして複数のランダム化比較試験が行われ、早期RRTにベネフィットが存在しないことが確定している。フランスUniversite Sorbonne Paris NordのGaudryらは、同国39施設のICUにおいて重症AKI(KDIGOステージ3以上)患者を72時間以上の乏尿、またはBUN濃度が上昇するまでモニタリングし、基準を満たした患者をただちにRRTする晩期RRT群、または絶対適応(著明な高カリウム血症・代謝性アシドーシス・肺水腫)まで延期する超晩期RRT群に割り付けるランダム化比較試験AKIKI 2を実施した。
結論
5,336名の患者が評価され、278名がランダム化された。AKIまたはRRTに関連する可能性のある合併症は両群同程度であった。28日目までの非RRT生存日数は、晩期RRT群で中央値12日、超晩期RRT群では10日であった。多変量解析における60日死亡ハザード比は、晩期RRT群と比して超晩期RRT群で1.65であった。
評価
必須適応までRRTを遅らせた患者では死亡が増加した。AKIKI試験(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1603017)で示された地点を超えてRRTを遅らせることは危険と考えられる。