重症患者での人工呼吸器ウィーニングの実態を世界19ヵ国で調査
Ventilator Weaning and Discontinuation Practices for Critically Ill Patients
背景
重症患者に対する人工呼吸器サポートにおいてウィーニングプロセスは大きな比重を占めているが、ウィーニングの世界的実態はどのようなものか。カナダUniversity of TorontoのBurnsらは、19ヵ国142施設のICUで24時間以上侵襲的人工呼吸(IMV)管理を受ける成人重症患者を対象とした前向観察研究IOSを実施、IMV終了のタイプ(抜管・自発呼吸トライアル・気管切開)およびその他の臨床アウトカムを調査した(n=1,868)。
結論
22.7%が直接抜管され、49.8%がSBTを受け(うち81.8%が合格)、8.0%が気管切開を受け、19.5%がウィーニングイベント前に死亡した。ケアの指針、毎日のスクリーニング、SBT手法、人工呼吸器モード、医師の関与には地域ごとに違いが見られた。直接抜管された患者と比して、SBTを受けた患者ではICU死亡率が高く(4.7% vs. 10.3%)、人工呼吸器期間、ICU滞在期間が長かった。またSBTが失敗した患者は、合格した患者と比して死亡率が高く(17.2% vs. 8.8%)、人工呼吸器期間、ICU滞在期間も長かった。SBTが晩期(2.3日以降)に行われた患者では、人工呼吸器期間、ICU滞在期間が長く、入院期間も延長した。
評価
挿管と挿管時有害事象の世界的実態を調査したINTUBE研究(http://doi.org/10.1001/jama.2021.1727)とともにJAMAに掲載された。挿管においてと同様、ウィーニングにも大きな実践のバラツキが存在した。グローバルな挿管ケア改善の第一歩となるデータである。