自殺企図を予測するコンピュータ化スクリーニングツールCASSYを開発・検証
Prospective Development and Validation of the Computerized Adaptive Screen for Suicidal Youth
背景
近年の研究は、自殺企図者の一部が直前に救急医療を受けていることを示唆しており、救急部門はこれらの患者を支援につなげる重要な機会として認識されている。University of MichiganのKingらは、PECARN参加13施設の若年救急患者(n=2,075)で自殺リスクデータの収集と3ヵ月後の電話フォローアップを行い、computerized adaptive screen for suicidal youth(CASSY)アルゴリズムを開発(study 1)、PECARN参加14施設と独立1施設の若年患者(n=2,754)でこれを検証した(study 2)。
結論
CASSYアルゴリズムは、study 1の開発サンプルにおいてAUC:0.89の高い予測精度を示した。CASSYに含まれる項目数は平均11であった。特異度を80%とした場合の感度は83%であった。アルゴリズムは、study 2の検証サンプルにおいてもAUC:0.87の高い精度を示し、study 1で確立されたカットオフを用いた場合の感度は82.4%、特異度は80%であった。
評価
既存の自殺リスク評価のための質問票はmoderateな感度・特異度しか持っていなかったが、このコンピューター化アルゴリズムは、回答結果に応じて後続質問を変化させることでより精密なリスク評価を可能とした。自殺防止介入のトリアージに有用であろう。