ICUでの早期気管切開はVAPを減らしICU入室期間を短縮:RCTのメタ解析
Association of Early vs Late Tracheostomy Placement With Pneumonia and Ventilator Days in Critically Ill Patients: A Meta-analysis
背景
重症患者における気管切開のタイミングについては多くのランダム化比較試験が実施されてきた。University of PennsylvaniaのChorathらは、重症患者を対象に早期気管切開(7日以内)と晩期気管切開を比較したランダム化比較試験を特定し、早期/晩期気管切開と人工呼吸器関連肺炎(VAP)、人工呼吸・ICU入室期間、死亡率との関連を検討するメタアナリシスを行った。
結論
17件の試験、累積3,145名の患者がレビューに含まれた。早期気管切開患者では、VAP発症が減少し(オッズ比0.59)、人工呼吸器不要日数が増加した(平均差1.74日)。ICU滞在日数も減少した(平均差−6.25日)。死亡率に関しては(n=2,445)、両群で同程度であった(オッズ比0.66)。
評価
早期気管切開のベネフィットを、17 RCTのメタ解析を通じて確定した。ただしCOVID-19では、気管切開時の感染リスクを避けるため、多くのガイドラインが感染性の高い10日〜2週間以内の気管切開を推奨していない。