生命維持が中止された重症患者、14%で心臓活動の一時的再開
Resumption of Cardiac Activity after Withdrawal of Life-Sustaining Measures
背景
心臓死後の臓器提供に関する主要なプロトコルは、死亡宣告の前に5分間の無呼吸・無脈時間をとることを推奨しているが、この時間枠は妥当だろうか。カナダChildren’s Hospital of Eastern OntarioのDhananiらは、カナダ、チェコ、オランダの20施設ICUで生命維持の中止が計画された患者において、死の決定後30分間のモニタリングを行い、心臓の電気活動ないし脈動の再開がどの程度見られるかを調査する前向観察研究を行った。
結論
1,999名がスクリーニングされ、631名が研究に含まれた。心臓活動または呼吸活動の再開が臨床的に報告されたのは5例(1%)で、心電図・動脈圧波形の後向解析(n=480)で、心臓活動の再開が認められたのは67例(14%)であり、臨床的な活動再開が報告された5例はいずれもこの中に含まれた。心臓活動再開までの無脈時間は最長で4分20秒であった。
評価
蘇生中止後の心停止患者で稀に自己心拍再開が見られるという事実(ラザロ現象とか自動蘇生の名で知られる)は、『早すぎた埋葬』が描いたような古典的な懸念を引き起こす。生命維持中止患者での本研究では、少なくない患者で一時的な心臓活動の再開が見られたものの、いずれもガイドラインが推奨する5分間のモニタリング枠内での出来事であった。生命維持中止後の死亡基準を標準化し、心臓死移植を普及するための重要なデータと言える。