新生児の急性中耳炎で「侵襲性細菌感染症」は杞憂
Invasive Bacterial Infections in Afebrile Infants Diagnosed With Acute Otitis Media
背景
急性中耳炎は出生後間もない乳児では稀であるが、侵襲的細菌感染症の併発が重大な懸念事項となる。Columbia UniversityのMcLarenらは、2007-2017年に33施設の救急部門で横断研究を実施し、発熱を有する月齢90日以内の急性中耳炎乳児における侵襲的細菌感染症有病率・有害事象率を調査した(n=1,637)。
結論
血液培養を行った278名(17.0%)で菌血症は認められず、脳脊髄液培養を行った102名(6.2%)でも髄膜炎は認められなかった。30日のフォローアップを受けた645名のうち、2名(0.3%)で有害事象があった(リンパ節炎1名、培養陰性敗血症1名)。
評価
発熱を有する急性中耳炎新生児では多くの侵襲的検査が行われていたが、細菌感染症はほとんど存在しなかった。既存研究での有病率も高々2.5%であり、現在の検査・入院戦略には最適化の余地があるだろう。


