ICU成人患者の褥瘡を世界90ヵ国で調査、4人に一人で褥瘡:DecubICUs研究
Prevalence, associated factors and outcomes of pressure injuries in adult intensive care unit patients: the DecubICUs study
背景
褥瘡・圧迫創傷はICUの患者管理における大きな問題だが、大規模な疫学データは不足している。ベルギーGhent UniversityのLabeauらは、世界90ヵ国1,117施設が参加する点有病率調査研究を行い、褥瘡の有病率、関連する因子、アウトカムを調査した(n=13,254)。
結論
6,747件の褥瘡が明らかとなり、うち3,997件(59.2%)がICU獲得性であった。患者の褥瘡有病率は26.6%であり、ICU獲得性褥瘡の有病率は16.2%であった。部位別では、仙骨部褥瘡(37%)と踵部褥瘡(19.5%)が多かった。ICU獲得性褥瘡と関連する因子として、高齢、男性、低体重、緊急手術、SAPS IIスコア高、Bradenスコア19未満、ICU滞在3日超、併存疾患、臓器サポート、低・中所得国があった。褥瘡の重症度と死亡率の関連は、ステージIではオッズ比1.5、ステージIIで1.6、ステージIII以上で2.8と漸増的であった。
評価
六大陸から千を超えるICUが参加した大規模調査により、褥瘡の世界的疫学を確立した。褥瘡発生と関連する因子や、重症度と死亡率との関連も特定し、予防戦略の重要な参照点となる。