医療書記が患者スループット・収益・満足度に与える効果をメタアナリシス
Effect of Medical Scribes on Throughput, Revenue, and Patient and Provider Satisfaction: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
カルテの記録などの医療事務作業は、患者ケアのための時間を臨床医から奪い、効率の低下やストレスの増大につながるが、医療書記・クラークはこの問題を解決する方策として期待されている。Rush University のGottliebらは、救急・救急以外の双方で、医療書記が患者スループット・収益・医療従事者/患者の満足度に与える影響を調査するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
患者数562,682名超からなる39件の研究が特定された。書記により、1時間あたりの治療患者数が0.30名増加、患者1人あたりの相対評価単位(relative value units)が0.14、1時間あたりのRVUは0.55増加した。Dispositionまでの時間、救急滞在時間には差がなかったが、診療所での滞在時間には有意な差が認められた。医療従事者の満足度は、16件の研究中14件で良好であり、患者の満足度は18件中7件で良好であった。
評価
このメタ解析では費用対効果は検証されていないが、オーストラリアのRCTでは費用対効果も良好であった(https://doi.org/10.1136/bmj.l121)。救急診療を効率化する糸口として今後も採用が拡がっていくだろう。