ナースプラクティショナーによる救急患者の検査・入院判断は医師と同等か
Emergency Physician and Advanced Practice Provider Diagnostic Testing and Admission Decisions in Chest Pain and Abdominal Pain
背景
医師アシスタント・ナースプラクティショナーなどのAdvanced Practice Providerは、一般の看護師・医療スタッフよりも高度な訓練を受け、より広い裁量を持ち、近年、需要が増加している。US Acute Care SolutionsのPinesらは、胸痛または腹中を主訴として受診し、APPまたは医師による管理を受けた救急患者の全国データを用いて、それぞれの診断リソース使用率・入院率を比較した。
結論
胸痛では、1,011名のAPPに管理された受診77,568回と、1,588名の医師に管理された受診586,031回が含まれた。腹痛では、1,080名のAPPに管理された受診184,812回と、1,689名の医師に管理された受診761,230回が含まれた。医師によって管理された患者は高齢の割合が高く、入院率も高かった。医師によって管理された胸痛患者では、循環器系疾患の割合が高く(58.6% vs. 70.7%)、APPでは呼吸器系疾患の割合が高かった(17.1% vs. 9.8%)。腹痛ではそれぞれ消化器系疾患(23.3% vs. 28.5%)、泌尿生殖器系疾患が多かった。逆傾向スコア重み付けでマッチングすると、検査室利用・放射線科利用・入院の確率は、APP管理患者で同程度か、わずかに低かった。
評価
APPは医師の過重な業務を軽減することが期待され、世界的に制度整備が進んでいる。救急セッティングでのこの研究は、APPによる管理が医療リソースや患者フロー、医療の質にマイナスの影響を与えないことを示唆した。


