人工呼吸を受ける敗血症患者の鎮静、デクスメデトミジンはプロポフォールと同等:MENDS2試験
Dexmedetomidine or Propofol for Sedation in Mechanically Ventilated Adults with Sepsis
背景
デクスメデトミジンは人工呼吸患者のせん妄を抑制する効果が期待されているが、プロポフォールとの比較ではどうか。Vanderbilt UniversityのHughesらは、人工呼吸を受ける成人敗血症患者を、デクスメデトミジンまたはプロポフォールによる浅鎮静に割り付ける多施設ランダム化比較研究MENDS2を実施した(n=432)。
結論
デクスメデトミジン群の患者は中央値0.27 μg/kg/hのデクスメデトミジンを、プロポフォール群の患者は中央値10.21 μg/kg/mのプロポフォールを投与された。せん妄・昏睡なき14日生存日数はデクスメデトミジン群で調整中央値10.7日、プロポフォール群で10.8日と差はなかった(オッズ比0.96)。28日人工呼吸不要日数(23.7日 vs. 24.0日)、90日死亡率(38% vs. 39%)、6ヵ月TICS-Tスコアにも差はなく、安全性エンドポイントも両群同等であった。
評価
デクスメデトミジンは理論的利点にもかかわらず、SPICE III試験に続いて標準的な鎮静薬との差を示せなかった。特別な懸念事項がない場合には、どちらを選択しても問題ないと思われる。