ウイルス性呼吸器感染症患者への酸素療法と医療スタッフの感染リスク:系統的レビュー・メタ解析
Oxygen Therapy and Risk of Infection for Health Care Workers Caring for Patients With Viral Severe Acute Respiratory Infection: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
酸素投与は、エアロゾルやその他の感染媒介物を発生させ、医療従事者への感染リスクを高める可能性があることが報告されている。カナダUniversite de MontrealのCournoyerらは、重度の急性呼吸器感染症患者に対して用いられる各種の酸素療法モダリティと感染リスクの関連を、システマティックレビュー・メタアナリシスにより検討した。
結論
50件の研究が質的統合に、うち16件がメタアナリシスに含まれた。総合的に、エビデンスの質は非常に低かった。挿管手技の実施・参加(オッズ比6.48)、バッグ・バルブ・マスクによる換気(2.70)、非侵襲的換気(3.96)は感染リスク増と関連した。すべての酸素療法モダリティは、飛散を発生させた。
評価
COVID-19パンデミックで重要問題となったトピックで、このメタ解析は、COVID-19に限らず酸素療法には感染リスクが伴うことを確認した。エアロゾルを伴うNIVやHFNCは可能な限り避け、曝露機会の最小化に努める必要がある。