急性冠症候群疑い患者での早期の非侵襲的心検査（NIT）に意義はあるか？
Early Noninvasive Cardiac Testing After Emergency Department Evaluation for Suspected Acute Coronary Syndrome
背景
AHA/ACCのガイドラインは急性冠症候群が疑われる患者において、急性心筋梗塞を除外後、72時間以内の負荷試験等非侵襲的心検査（NIT）を推奨しているが、そのベネフィットは明らかでない。Kaiser Permanente Southern CaliforniaのKawatkarらは、急性冠症候群疑い患者における救急評価後3日以内の非侵襲的心検査の有効性を、30日以内の死亡・急性心筋梗塞を一次アウトカムとして評価した（n=79,040）。
結論
21%が早期の非侵襲的検査を受けた。30日以内の死亡・心筋梗塞リスクは1%未満と低かった。早期非侵襲的検査は、死亡・心筋梗塞リスクを0.4%減少させた（死亡0.2%、心筋梗塞0.3%）。
評価
非侵襲的検査によって死亡・心筋梗塞リスクは有意に低下したが、絶対リスク減は極めて小さく（死亡を1例減らすためのNNTは250）、トロポニン値などを用いた高リスク患者の絞り込みが必要だろう。
