院外心停止に亜硝酸ナトリウムは無益:第2相SNOCAT試験
Effect of Out-of-Hospital Sodium Nitrite on Survival to Hospital Admission After Cardiac Arrest: A Randomized Clinical Trial
背景
亜硝酸ナトリウムは、低酸素状態では一酸化窒素に変換され血流を増加させ、心停止生存率を改善するという動物実験エビデンスが存在するが、人間ではどうか。University of WashingtonのKimらは、院外心停止成人患者を対象に、救急隊員による亜硝酸ナトリウム45 mg、亜硝酸ナトリウム60 mg、プラセボのボーラス投与を1:1:1で割り付ける第2相ランダム化比較試験SNOCATを実施した(n=1,502)。
結論
病院到着時生存率は45 mg群41%、60 mg群43%、プラセボ群44%と、有意な差はなかった。7つの事前指定二次アウトカムにも有意な差は見られなかった。
評価
動物実験の示唆は有望であったものの、ヒトでのRCT結果は期待外れに終わった。第2相ながら大規模な試験であり、結論的と言ってよい。