ビデオ喉頭鏡は乳児の挿管でも初回成功率を高める:VISI試験
First-attempt success rate of video laryngoscopy in small infants (VISI): a multicentre, randomised controlled trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Lancet
年月
December 2020
396
開始ページ
1905

背景

ビデオ喉頭鏡は気管挿管を容易にすることが多くの研究によって明らかにされているが、乳児の挿管ではどうか。Children's Hospital of PhiladelphiaのGarcia-Marcinkiewiczらは、アメリカ4施設、オーストラリア1施設の手術室挿管を要する困難気道のない乳児を、ビデオ喉頭鏡または直接喉頭鏡に割り付け初回挿管成功率を比較する並行群ランダム化比較試験VISIを実施した(n=564)。

結論

乳児の平均月齢は5.5ヵ月であった。初回挿管成功率は、ビデオ喉頭鏡群93%、直接喉頭鏡群88%であった(調整絶対リスク差5.5%)。重篤な合併症はビデオ喉頭鏡群の2%、直接喉頭鏡群では5%で発生した。食道挿管はビデオ喉頭鏡群で1例、直接喉頭鏡群で7例(3%)で発生した。

評価

大規模なRCTにより、乳児の挿管においてもビデオ喉頭鏡が初回成功率を高め、合併症を減らすことを実証した。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)