急性呼吸不全にNAVAモード換気は有効か:NAVIATOR試験
Neurally adjusted ventilatory assist in acute respiratory failure: a randomized controlled trial
背景
神経調節補助換気(neurally adjusted ventilatory assist)は、横隔膜の電気的モニタリングにより高い同期性をもった換気補助を実現する人工呼吸器モードで、人工呼吸器からの離脱を容易にすることが示唆されている。Massachusetts General HospitalのKacmarekらは、72時間以上の人工呼吸を要する急性呼吸不全患者を、通常の肺保護的人工呼吸またはNAVAモードでの肺保護的人工呼吸に割り付ける多施設ランダム化比較試験NAVIATORを実施した(n=306)。
結論
28日目までの人工呼吸器不要日数は、NAVA群で22日、対照群で18日であった。死亡退院率はNAVA群25.5%、対照群30.7%であった(非有意)。他の臨床的・生理学的・安全アウトカムに有意差はなかった。
評価
これまでで最大のRCTであり、NAVAモードによる換気が人工呼吸期間を3割以上短縮することを示した。こうした利点が良好な生存アウトカムへと転換され得るか、今後の検証が注目される。