新型コロナ、ヨーロッパの死亡率差はICUアクセスの差か
Access to intensive care in 14 European countries: a spatial analysis of intensive care need and capacity in the light of COVID-19

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Intensive Care Medicine
年月
November 2020
46
開始ページ
2026

背景

COVID-19のパンデミックでは、各国ごとに感染者数や死亡率に大きな差があることが重大な謎として残されている。ドイツGoethe University FrankfurtのBauerらは、ヨーロッパ14ヵ国におけるICU病床へのアクセス可能性(地域ごとの人口-ICU病床比、最寄りのICUまでの距離)とCOVID-19致死率との関連を解析した。

結論

人口10万人あたりのICU病床数は、ドイツの35.3床、ついでエストニアの33.5床、オーストリアの26.4床が続き、最も少なかったのはデンマークの6.4床、スウェーデンの5床であった。最寄りの集中治療提供病院までの平均所要時間(車移動)は、クロアチアの25.3分が最も長く、ルクセンブルクの9.1分が最も短かった。相関解析の結果、ICUアクセスとCOVID-19致死率の間にはr=-0.57の負の相関が認められた。

評価

COVID-19の国別アウトカム差をもたらした原因については多くの議論が繰り返されており、ICUアクセシビリティも重要な説明変数と見なされるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)