急性喘息小児での吸入マグネシウムは無益:MAGNUMPA試験
Effect of Nebulized Magnesium vs Placebo Added to Albuterol on Hospitalization Among Children With Refractory Acute Asthma Treated in the Emergency Department: A Randomized Clinical Trial
背景
硫酸マグネシウムの吸引は平滑筋の弛緩を促し、気管支喘息に有効とする研究があるが、否定的な研究もある。カナダUniversity of TorontoのSchuhらは、同国7施設の小児救急において、経口ステロイド・吸入アルブテロール・イプラトロピウム治療の1時間後にも持続する中等症・重症の喘息(PRAMスコア5以上)患者を対象に、アルブテロールに加えて硫酸マグネシウムまたは5.5%生食プラセボの噴霧吸入を比較するランダム化比較試験MAGNUMPAを実施した(n=818)。
結論
マグネシウム群の43.5%、プラセボ群の47.7%が24時間以内に入院を要した。ベースラインから240分までのPRAMスコア、呼吸数、酸素飽和度、収縮期血圧の変化、および追加アルブテロール治療回数に群間差はなかった。悪心・嘔吐または咽喉・鼻疼痛はマグネシウム群の4%、プラセボ群の1%で発生した。
評価
最新のコクランレビューは急性喘息での吸入マグネシウムの効果についてエビデンス不足としており(https://doi.org/10.1002/14651858.CD003898.pub5)、本RCTにおいても有効性は示されなかった。マグネシウム群では悪心も多くみられ、ルーチンな使用は支持されない。