COVID-19重症肺炎での回復者血漿は無益:アルゼンチンPlasmAr試験
A Randomized Trial of Convalescent Plasma in Covid-19 Severe Pneumonia
背景
COVID-19では、抗SARS-CoV-2抗体が含まれる回復患者の血漿を投与する回復者血漿療法が有望視されていたが、中国で行われた初期のランダム化比較試験は、感染終息による試験の早期終了もあり有意な差を示すに至らなかった。アルゼンチンHospital Italiano de Buenos AiresのSimonovichらは、COVID-19による重症肺炎で入院する成人患者に、回復者血漿またはそのプラセボを2:1で割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=228)。
結論
発症から試験登録までの期間は中央値8日であった。完全な回復から死亡まで6段階の臨床ステータスについて、30日時点で回復者血漿群とプラセボ群に有意な差はなかった(オッズ比0.83)。死亡率も、回復者血漿群10.96%、プラセボ群11.43%と同等であった。
評価
中国(http://doi.org/10.1001/jama.2020.10044)、インド(https://doi.org/10.1136/bmj.m3939)でのRCTに続いて、本試験でも回復者血漿のベネフィットは示されなかった。サブグループ解析でも有効集団は見いだされず、現時点で回復者血漿療法は支持されない。