橈骨動脈ラインの確保にエコーガイドは有用か:ランダム化比較試験
Ultrasound Guidance Versus Landmark-Guided Palpation for Radial Arterial Line Placement by Novice Emergency Medicine Interns: A Randomized Controlled Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Journal of Emergency Medicine
年月
September 2020
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開始ページ
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背景

超音波ガイド下での静脈アクセスが一般的になっているが、橈骨動脈ラインの確保においては有効か。Lewis Katz School of Medicine at Temple UniversityのGibbonsらは、留置経験が15回に満たない新人救急インターンの撓骨動脈ラインカテーテル留置において、超音波ガイド下刺入と解剖学的ランドマークと触知による刺入を比較するランダム化比較試験を実施した(n=40)。

結論

初回刺入成功率は超音波ガイド群で75%、ランドマーク+触知群で0%、留置成功率はそれぞれ100%、15%であった。平均試行回数は超音波ガイド群で1.30回、ランドマーク+触知群2.95回、留置に要した時間は264秒、524秒であった。留置に失敗したランドマーク+触知群で超音波ガイド下刺入を行ったところ、留置成功率100%、平均試行回数1.37回、平均留置時間180秒であった。また超音波ガイド群の合併症は0%であった。

評価

この研究ではほぼ初心者の救急インターンでの比較であったが、麻酔科でも成功率を向上させることが示されている(http://doi.org/10.1111/anae.13062)。特に肥満や低血圧などランドマーク・触知による刺入に困難が予想される患者では、有用性が期待できる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)