外傷性脳損傷への病院前血漿は有効か:PAMPer試験の二次解析
Association of Prehospital Plasma With Survival in Patients With Traumatic Brain Injury: A Secondary Analysis of the PAMPer Cluster Randomized Clinical Trial
背景
COMBAT試験・PAMPer試験の2試験を通じて、搬送に時間を要する外傷性出血患者における病院前血漿輸血の有効性が示されているが、外傷性脳損傷(TBI)患者ではどうか。University of PittsburghのGruenらは、出血性ショックのリスクを有する航空搬送中の外傷患者(n=501)で、通常蘇生とそれに対する解凍血漿輸血の追加を比較した第3相クラスターランダム化試験PAMPerの事前指定二次解析を実施し、TBI患者での病院前血漿と生存率の関連を評価した(n=166)。
結論
病院前血漿は、これらTBI患者における30日生存率の改善と関連した(ハザード比0.55)。GCSが8未満の患者(0.56)、多発外傷患者(0.50)でも同様であった。病院前血漿のベネフィットは、受傷現場から搬送された患者のみで(0.45)、他院から転送された患者では認められなかった(1.00)。
評価
サブグループ二次解析により、早期の病院前血漿がTBI患者で(おそらく非TBI外傷患者を上回る)ベネフィットを持つことを明らかにし、RCTによる今後の検証を正当化した。