虫垂炎での抗菌薬管理:CODA試験
A Randomized Trial Comparing Antibiotics with Appendectomy for Appendicitis
背景
合併症のない虫垂炎では手術によらず、抗菌薬による治療で安全であることがAPPAC試験などから示唆されているが、この問題にもう一つの大規模臨床試験データが加わった。CODA CollaborativeによるCODA試験は、アメリカ25施設の虫垂炎患者を対象に、10日間の抗菌薬療法または虫垂切除術を比較するランダム化非劣性試験であった(n=1,552)。
結論
抗菌薬群の47%は初期の入院を要さず、虫垂切除群の手術は96%が腹腔鏡下で行われた。30日間のEQ-5Dスコアについて、抗菌薬治療は虫垂切除に非劣性であった(平均差0.01)。抗菌薬群の29%は90日目までに虫垂切除を受けた。合併症は抗菌薬群で多かったが、もっぱら虫垂石を有する患者でのみ見られた差であった。
評価
抗菌薬群での1年虫垂切除率が一次アウトカムであったAPPAC試験(http://doi.org/10.1001/jama.2015.6154)とは異なり、健康関連QOLを一次アウトカムに設定したこの試験では抗菌薬治療の非劣性が示された。抗菌薬療法は、長期的には3〜4割で手術が必要となるものの、多くの患者で合理的なオプションとして考慮されうる。