敗血症サバイバーの長期予後を予測するオンラインツールを開発
Development, Validation, and Clinical Utility Assessment of a Prognostic Score for 1-Year Unplanned Rehospitalization or Death of Adult Sepsis Survivors
背景
敗血症の生存率は、過去数十年で一定の改善を示しているものの、敗血症サバイバーの長期的な再入院・死亡リスクの高さは大きな問題として残っている。イギリスSt Thomas’ HospitalのShankar-Hariらは、Intensive Care National Audit & Research CentreのCase Mix Programmeデータベースを用い、患者背景と敗血症特異的因子から1年以内の再入院・死亡を予測するモデルを開発(n=94,748)、検証(n=24,669)した。
結論
1年以内の予定外再入院・死亡は、開発コホートの51.3%、検証コホートの53.2%で発生した。過去1年間の入院回数、年齢、社会的剥奪度(IMD2015 in England)、入院以前の要介護度、併存症、ICU入室タイプ、ヘモグロビンレベル、原発感染部位の8つが予測因子として同定され、これらを重み付けし0〜22ポイントの予後予測スコアが開発された。このスコアのAUROCCは0.675であり、最適カットオフは7ポイントであった。
評価
同チームによる以前のレビューでは再入院率は39%、死亡は16%にものぼるとされ、サバイバーへの適切なフォローアップと情報提供のためにも高リスク者を特定できるツールの需要は高い。ここで開発されたモデルはオンラインで利用可能である(https://sepsis-ssip-score.org.uk/ssip_calculator)。