腰痛以外の急性疼痛の管理にはNSAIDs・アセトアミノフェン:系統的レビュー・メタ解析
Management of Acute Pain From Non-Low Back Musculoskeletal Injuries: A Systematic Review and Network Meta-analysis of Randomized Trials
背景
筋骨格系損傷による急性疼痛は一般的で、非薬理学的なものも含め多くの治療オプションが存在する。カナダMcMaster UniversityのBusseらは、米国内科学会(ACP)/米国家庭医学会(AAFP)ガイドラインのために、腰部以外の筋骨格系損傷による急性疼痛に対する外来治療の有効性を比較するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
32,959名の参加者からなる207件のランダム化比較試験が適格であり、45種の治療法が評価された。2時間未満での疼痛軽減について、局所NSAIDsは総ベネフィットが最も大きく、経口NSAIDsとアセトアミノフェン±ジクロフェナクがこれに続いた。これらの薬剤の疼痛軽減効果はいずれも10cm VASで−1cm程度と小さかった。1〜7日間では、アセトアミノフェン+オピオイドが確実性の高いエビデンスにより疼痛軽減を示し、アセトアミノフェン単独、経口NSAIDs、局所NSAIDsが中程度の確実性で疼痛軽減を示した。消化器有害事象では、経頬フェンタニル、アセトアミノフェン+オピオイド、経口NSAIDsでリスク増、神経学的有害事象についてはアセトアミノフェン+オピオイド、トラマドール、経頬フェンタニルでリスク増が認められた。
評価
ベネフィットと害のバランスにおいて、オピオイドを上回るオプションは多くあった。ACP/AAFPの新たなガイドラインでは、上記の薬理学的介入にマッサージや指圧も加えた推奨項目が提示された(https://doi.org/10.7326/M19-3602)。