蘇生後の非STEMI心停止患者での早期CAGにベネフィットなし:COACT試験の1年アウトカム
Coronary Angiography After Cardiac Arrest Without ST Segment Elevation: One-Year Outcomes of the COACT Randomized Clinical Trial
背景
COACT試験は、STEMI徴候のない蘇生後の院外心停止患者を、即時の冠動脈造影または神経学的回復後の冠動脈造影に割り付ける多施設ランダム化比較試験であり(n=552)、さきに両群の90日生存率に有意な差がないことを報告している。オランダAmsterdam University Medical CenterのLemkesらは、同試験の1年アウトカムを報告した。
結論
1年生存率は、即時冠動脈造影群で61.4%、回復後冠動脈造影群では64.0%と差はなかった(オッズ比0.90)。複合エンドポイント(死亡、心筋梗塞、再度の血管再建術)率もそれぞれ42.9%、40.6%で差はなかった(オッズ比1.10)。ICDショック作動率やQOLなど他のアウトカムにも有意な群間差は認められなかった。
評価
NSTEMI患者で直ちに冠動脈造影を行う必要はないことを示唆したRCTで、この1年後結果においても結論は同じであった。同テーマの試験としてACCESS試験(NCT03119571)・DISCO試験(NCT02309151)があるが、ACCESS試験は登録不良で試験が終了している。