ICU患者の脳波測定をベッドサイド測定デバイスで高速化:DECIDE研究
Evaluating the Clinical Impact of Rapid Response Electroencephalography: The DECIDE Multicenter Prospective Observational Clinical Study
背景
重症患者では非痙攣性てんかんによる意識障害がしばしば見られ、診断には脳波測定が必要となるが、ICU患者ではアクセスに大きな障壁がある。University of California Los AngelesのVespaらは、非痙攣性てんかんが疑われるICUの脳症患者(n=181)および医師(n=37)を含む多施設臨床試験を実施、新規脳波測定デバイスRapid Response Electroencephalography System(Rapid-EEG、Ceribell社)による脳波可聴化・可視化を評価した。
結論
164名の患者で臨床データと脳波データが得られた。ベッドサイドRapid-EEGにより、主治医のてんかん診断感度は77.8%から100%に上昇、特異度も63.9%から89%に上昇した。医師の診断・治療方針への自信も向上した。脳波検査までの時間は、Rapid-EEGでは中央値5分であったが、従来EEG検査では239分を要した。
評価
既存のガイドラインでは非痙攣性てんかんの評価に1時間以内の脳波測定を推奨しているが、本研究に参加したトップクラスの病院であっても長い待機時間が必要であった。この新規ベッドサイドデバイスはこの待機時間を大幅に短縮し、タイムリーなてんかん評価を可能にする。