良性の頭痛にボーラス輸液をしても疼痛改善せず
I-FiBH trial: intravenous fluids in benign headaches-a randomised, single-blinded clinical trial
背景
頭痛患者に対して静脈輸液ボーラスが行われる場合があるが、その効果は不明確である。Kendall Regional Medical CenterのZitekらは、救急を受診した10〜65歳の良性頭痛患者に対し、プロクロルペラジンとジフェンヒドラミンに加えて、最大1,000 mLの生理食塩水または5 mLの生理食塩水を割り付ける単施設ランダム化比較試験を実施した(n=58)。
結論
治療後60分の疼痛緩和は、生食ボーラス群48.3 mm、対照群48.7 mmであり、有意な差はなかった。30分間の疼痛緩和、悪心スコア、レスキュー薬剤使用にも差はなかった。
評価
先行パイロットRCT(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2018.09.004)と同じく小規模な試験ではあるが、この試験でも輸液による追加的効果は認められなかった。重度の脱水がない良性頭痛患者に輸液を行う必要はないと考えられる。