敗血症での1時間以内の抗菌薬、3時間以内と変わらず:系統的レビュー・メタ解析
Outcome of Immediate Versus Early Antibiotics in Severe Sepsis and Septic Shock: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
敗血症・敗血症性ショックに対しては1時間以内の抗菌薬投与が推奨されているが、この時間フレームを支持するエビデンスは乏しい。Dr. P Phillips HospitalのRothrockらは、システマティックレビューにより重症敗血症・敗血症性ショック成人患者で抗菌薬投与までの時間と死亡率の関連を検討した研究を特定し、メタアナリシスを行った。
結論
13件の研究が含まれ、5件が前向縦断研究であった。いずれの研究もエビデンスの質は低かった。33,863名分のデータは、1時間以内の投与と1〜3時間での投与に差を認めなかった(オッズ比1.09)。重症敗血症(n=8,595)での解析では、1時間以内の投与で死亡率が高かった(オッズ比1.29)。
評価
早期からの抗菌薬投与の重要性については広く合意されているものの、1時間というフレームについては根拠となるエビデンスが乏しいことが指摘されており、このメタ解析でも3時間以内と比較して有意な差は示されなかった。