重度腎機能障害のない重症患者でのセフェピム脳症は稀
Effect of Cefepime on Neurotoxicity Development in Critically Ill Adults With Renal Dysfunction
背景
セファロスポリン系抗菌薬セフェピムは神経障害のリスクが高いことが知られているが、腎機能との関連はどのようなものか。Rush University Medical CenterのKhanらは、クレアチニン・クリアランス60 mL/分未満で、48時間以上セフェピム投与を受けた重症成人患者(n=200)におけるセフェピム関連神経毒性を評価した。
結論
108名が低用量、92名が高用量での投与を受けた。セフェピム関連神経毒性は低用量群(4%)、高用量群(10%)とも高頻度ではなかった(オッズ比2.82)。これは腎機能障害が中等度のサブグループでも同様であった(5% vs. 7%、オッズ比1.42)。一方、腎機能障害が重度のサブグループでは、高用量群で関連神経毒性が増加した(0 vs. 16%)。神経毒性までの時間に、用量との関連はみられなかった。セフェピム関連神経毒性を発症した患者の多く(92%)で意識変容がみられた。
評価
先行報告では、セフェピムによる神経毒性患者の多くが腎機能障害を有しており、関連が注目されていた。この研究では、腎機能障害を有する患者でのセフェピム脳症は比較的稀であったが、重度腎機能障害を有する患者では増加傾向がみられ、さらなる調査を必要とする。