自然気胸の初期管理、何が有効・安全か:系統的レビュー・ベイジアンネットワークメタ解析
Comparative Effectiveness of Interventions in Initial Management of Spontaneous Pneumothorax: A Systematic Review and a Bayesian Network Meta-analysis
背景
原発性自然気胸は若年男性で多くみられ、軽度では保存的管理も可能とされているが各種介入の有効性については十分確立されていない。Cleveland Clinic FoundationのMummadiらは、システマティックレビュー・メタアナリシスを行い、緊急性でない自然気胸成人患者に対する有効・安全な早期介入を探索した。
結論
12件の研究(n=781)が含まれた。有効性について針穿刺吸引、細径ドレーン(14フレンチ未満)または太径ドレーン(14フレンチ以上)によるドレナージ、ハイムリッヒ弁の有無で有意な差は認められなかった。一方で安全性解析では、針穿刺吸引が太径ドレーンよりも有意に合併症が少なかった(オッズ比0.10)。また有意ではないが、細径ドレーンよりも針穿刺吸引(オッズ比0.29)が、太径ドレーンよりも細径ドレーン(0.35)が安全な傾向であった。有効性についてのSUCRCが高かったのは細径ドレーンで(64%)、安全性では針穿刺吸引のSUCRCが高かった(95.8%)。
評価
このメタ解析では細径ドレーンの有効性と針穿刺吸引の安全性が示されたが、最近のRCTでは中等度・高度な自然気胸でも保存的管理が非劣性であることを示しており(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1910775)、保存的管理が安全な患者では侵襲的処置は不要とみられる。


