チェックリストは気管挿管のアウトカムを改善しない:系統的レビュー・メタ解析
Association of Checklist Use in Endotracheal Intubation With Clinically Important Outcomes: A Systematic Review and Meta-analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
July 2020
3
開始ページ
e209278

背景

気管挿管はさまざまなリスクを伴う手技であるが、チェックリストを導入することで安全性を高めることはできるか。Indiana UniversityのTurnerらは、システマティックレビュー・メタアナリシスにより、既存研究における挿管チェックリストと患者の臨床アウトカムの関連を評価した。

結論

11件の研究が基準を満たした(3,261名)。1件のランダム化比較試験と3件の観察研究については、バイアスのリスクが低いと評価された。5件(n=2,095)の研究で、チェックリストの使用は死亡率の低下と関連しなかった(相対リスク0.97)。8件(n=3,010)の研究では、チェックリストが低酸素イベントの減少と関連したが(相対リスク0.75)、他の二次アウトカムに差はなかった。

評価

チェックリストは術者の準備と手順を確実化する認知的戦略だが、それ自体の時間消費やチェック疲れなどネガティブな影響もあり得る。このメタ解析では、挿管チェックリストによる患者アウトカムの改善はほとんどみられなかった。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)