フロセミド負荷試験はAKI重症化や腎代替療法を予測可能:系統的レビュー・メタ解析
Furosemide stress test as a predictive marker of acute kidney injury progression or renal replacement therapy: a systemic review and meta-analysis
背景
急性腎障害(AKI)の重症化と腎代替療法(RRT)の必要性の予測は容易でないが、フロセミド反応性はこれらを予測することができるか。台湾Chang Gung Memorial HospitalのChenらは、システマティックレビュー・メタアナリシスにより、AKIステージ悪化・RRT予測するためのフロセミド負荷試験の有用性を評価した。
結論
11件から、AKI重症化について517名、RRTについて1,017名、総計1,366名の患者が同定された。AKIステージ悪化についてのフロセミド負荷試験の感度は0.81、特異度は0.88であり、陽性尤度比は5.45、陰性尤度比は0.26であった。サマリーROCは0.88であった。RRT必要性についての感度は0.84、特異度は0.77であり、陽性尤度比は3.16、陰性尤度比は0.25であった。サマリーROCは0.86であった。フロセミド負荷試験のRRT予測能は、ステージ1-2のAKIでとくに良好であった。
評価
フロセミド投与後の尿量非反応はAKI悪化をよく予測し、RRTの必要性についても特に初期AKI患者で優れた予測能をもっていた。シンプルなリスク評価ツールとして有用だろう。