早期警告スコアの開発・検証エビデンスは貧弱:系統的レビュー
Early warning scores for detecting deterioration in adult hospital patients: systematic review and critical appraisal of methodology
背景
入院患者における急変を早期に発見するための早期警告スコアが多数開発されているが、そのエビデンスはどの程度堅固なのか。イギリスUniversity of OxfordのGerryらは、システマティックレビューにより、成人入院患者での早期警告スコアの開発・外部検証を行った既存研究を評価した。
結論
95件の研究が含まれた。大半はアメリカ・イギリスでの使用を目的に制作されたスコアであった。予測アウトカムとしては死亡が一般的で、予測因子として含まれたのは呼吸数(88%)、心拍数(83%)、酸素飽和度(71%)、体温(71%)、収縮期血圧(71%)が多く、年齢と性別は半数に満たなかった。開発研究・外部検証研究とも、小さなサンプルサイズ、少ないイベント数が一般的で、加えて解析された集団の詳細や統計的手法についても十分報告しない研究が多かった。バイアスリスクは、含まれた全ての研究で「高い」であった。
評価
NEWSやMEWSなどが国際的に用いられているが、それらを開発・検証した既存研究の大半で方法論的な問題があることを明らかにした。早期警告スコアのパフォーマンス自体にも疑念を抱かせる指摘であり、将来の研究は方法論的により堅固なアプローチに従う必要がある。