重症患者でのバンコマイシン、持続静注でAKIリスクが減少:系統的レビュー・メタ解析
Continuous Versus Intermittent Infusion of Vancomycin and the Risk of Acute Kidney Injury in Critically Ill Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
June 2020
48
開始ページ
912

背景

バンコマイシンは重症患者で日常的に用いられる抗菌薬だが、腎障害性がある。University of Kentucky のFlanneryらは、システマティックレビュー・メタアナリシスにより、重症成人患者におけるバンコマイシンの投与方法(持続投与または間歇投与)と急性腎障害(AKI)・その他アウトカムとの関連を調査した。

結論

11件の研究が含まれ、AKIについては2,123名が評価された。間歇投与と比して、バンコマイシン持続投与はAKIリスクの低下と関連した(オッズ比0.47)。薬物動態的目標達成率は、持続投与で高かった(2.63)。死亡率に差はなかった(1.04)。

評価

持続投与によってバンコマイシン腎症を抑制しうることを確認した。バンコマイシン投与ではAUCモニタリングが推奨されており、さらなる最適化がもたらされるか注目される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)