女性の心停止患者ではAEDが使われにくい
Gender disparities in the application of public-access AED pads among OHCA patients in public locations
背景
女性の心停止患者は心肺蘇生を受けにくいというデータが浮上している。日本Otsuma Women's University(大妻女子大学)のKiyoharaらは、大阪市の院外心停止レジストリのデータから、2011〜18年に公共の場所で発生した心停止において市民救助者によるAEDの使用と患者性別との関連を調査した(n=4,358)。
結論
15歳未満の患者ではAEDパッドの使用に有意な差は見られなかった(男性5.3% vs. 女性6.3%、調整オッズ比1.00)。50〜74歳(16.8% vs. 12.7%、0.96)、75歳以上(12.3% vs. 14.8%、1.45)でも同様であったが、15〜49歳では、女性患者はAEDを用いられる可能性が有意に低かった(12.1% vs. 5.2%、0.54)。
評価
カナダからも同様の報告があげられている(https://doi.org/10.1016/j.resuscitation.2020.02.024)。女性の心停止患者はCPRを受けにくい(https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2018.12.028)だけでなく、AEDも使われにくい可能性がある。「女性にCPRをしたらセクハラで訴えられる」などのデマもしばしば人口に上っており、ジェンダー障壁に焦点をあてた啓蒙・教育が必要と考えられる。