ICU患者での利尿剤プロトコルは有望
Impact of protocolized diuresis for de-resuscitation in the intensive care unit
背景
初期輸液後の過剰輸液は重症患者にとって有害であると考えられているが、利尿剤によるde-resuscitationの有効性についてはデータが限られる。University of KentuckyのBissellらは、同施設ICUで体液過剰の臨床徴候が見られるか入室以降の体液バランスが正の患者を対象として、臨床医の判断による利尿剤(歴史的対照群)と利尿剤プロトコル(介入群)を比較するパイロット研究を実施した(n=364)。
結論
利尿剤プロトコルは、ショック後72時間の累積体液バランスの有意な低下と関連した(−2,257 mL vs. 265 mL)。院内死亡率は介入群5.5%、対照群16.1%と介入群で低く、ICU-free日数も介入群で多かった。人工呼吸器不要日数に差はなく、高ナトリウム血症と低カリウム血症は介入群で増加した。
評価
プロトコル化された利尿剤使用をICUで評価する初めての研究とみられ、体液バランスを改善し、死亡率も低下する可能性が示唆された。RCTによる検証に期待が持たれる。


