心停止患者でのアドレナリン投与は骨髄路でもよいか:PARAMEDIC2試験の二次解析
Intraosseous versus intravenous administration of adrenaline in patients with out-of-hospital cardiac arrest: a secondary analysis of the PARAMEDIC2 placebo-controlled trial
背景
心停止患者での蘇生薬投与は静脈路から行われるのが通常だが、骨髄路投与ではアウトカムが悪化する可能性が示唆されてきた。イギリスUniversity of WarwickのNolanらは、初期蘇生に反応しない院外心停止患者にアドレナリン1 mgまたはプラセボを割り付けたランダム化比較試験の二次解析を実施、静脈路と骨髄路の効果を比較した。
結論
アドレナリン群1,116名(30.1%)、プラセボ群1,121名(30.4%)が骨髄路投与を受けた。病院到着時までの自己心拍再開のオッズ比(アドレナリン群 vs. プラセボ群)は、静脈路投与患者で4.07、骨髄路投与患者で3.98と差はなかった。30日生存オッズ比はそれぞれ1.67、0.9で有意差なし、神経学的良好アウトカムは1.39、0.62でこちらも有意差はなかった。
評価
心停止患者では過去最大規模のRCTの二次解析で、静脈路投与と骨髄路投与の自己心拍再開率に差がないことが明らかにされた。ただし生存・神経学的アウトカムについてはイベント数が少なく、結論的ではない。