ICU患者の循環不全を予測する早期警告システムを機械学習で開発
Early prediction of circulatory failure in the intensive care unit using machine learning
背景
ICUの重症患者は高度なバイタルモニタリングを受けているが、こうしたデータから状態の悪化を予測することは必ずしも容易ではない。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのHylandらは、36,098名のICU入室患者から収集された710の変数情報、240人年の高解像度データを用いた機械学習により、循環不全のための早期警告システムを開発した。
結論
今後8時間の循環不全リスクについて、112変数の500特徴からなるフルモデルcircEWSと、最重要の20変数のうち16変数176特徴からなる簡易モデルcircEWS-liteが開発された。イベント前8時間以内のアラーム率、つまりモデルの予測率は90%であり、ICU入室直後で特に高かった。82%はイベント発生の2時間以上前にアラームがあった。ROC曲線下面積は0.94、PR曲線下面積は0.63であった。
評価
開発された早期警告システムは、循環不全の大半を予測可能であった。このシステムが警告を発するのは安定患者の場合16時間に一回ほど、さらに頻回のアラームを抑制するシステムも組み込まれるなど、ICUのアラーム疲れ問題に対処している点でも興味深い。