肺のマイクロバイオームが重症患者の転帰を予測する
Lung Microbiota Predict Clinical Outcomes in Critically Ill Patients
背景
多様な疾患において細菌叢(マイクロバイーム)の役割が明らかにされつつあるが、重症患者では肺の細菌叢に変化がみられることも知られている。University of Michigan のDicksonらは、同大学病院ICUの重症患者(n=91)において、入室24時間以内にMini-BAL(気管支肺胞洗浄)による肺細菌叢サンプルを採集、アウトカムとの関連を調査した。
結論
肺細菌叢負荷が高い患者では、人工呼吸器不要日数が少なかった(ハザード比0.43)。肺炎、疾患重症度について調整した後でもこの関連は有意なままであった。肺細菌叢の構成、特にLachnospiraceae科やEnterobacteriaceae科などの腸関連細菌は、人工呼吸器不要日数を予測した。腸関連細菌の検出はARDSとも関連した。
評価
細菌負荷や腸関連細菌の存在が、重症患者のアウトカム悪化と関連することを明らかにした。細菌叢を標的とした介入によりアウトカムを改善することができるかが次なる問題となる。