急性呼吸不全での肺エコーはポータブルX線を上回る精度
Comparative Performance of Pulmonary Ultrasound, Chest Radiograph, and CT Among Patients With Acute Respiratory Failure
背景
肺超音波検査は、急性呼吸不全の鑑別診断において高いパフォーマンスを持つことが明らかにされつつある。Abbott Northwestern HospitalのTierneyらは、挿管を要し、挿管から24時間以内に胸部CTおよび胸部ポータブルX線撮影を行った急性呼吸不全ICU患者(n=67)において、挿管時の肺エコー(前胸部4ヵ所、右側胸部3ヵ所、左側胸部2ヵ所)所見の正確さを評価した。
結論
CT所見との肺葉一致率は、肺エコーで87%、X線では62%であった。肺葉ではなく左右肺全体での一致率の場合、右肺ではエコー92.5%、X線65.7%、左肺では各83.6%、71.6%となった。エコー・X線ともに無気肺・コンソリデーションで肺葉一致率が高かった。一致率が低かったのはエコーでは正常肺(79%)、X線では間質性所見(29%)であった。肺葉別にみて肺エコーの一致率が低かったのは左下葉であった。
評価
肺エコーが高い精度で病変部の特定を行いうることを実証した。ポータブルX線を上回っており、必須の手技となっていくだろう。