難治性VF患者での二重連続除細動をRCTで検証:DOSE VFパイロット試験
Double sequential external defibrillation for refractory ventricular fibrillation: The DOSE VF pilot randomized controlled trial
背景
二重連続体外式除細動(Double Sequential External Defibrillation)は、通常の胸部左右のパッドに加えもう一組のパッドを貼付け、連続的にショックを与える手法で、難治性心室細動(VF)で有望とみられている。カナダUniversity of TorontoのCheskesらは、同国4ヵ所の救急医療サービスで治療を受けた全ての院外心停止患者のうち、最低3回の除細動が行われたVF患者において、通常の除細動戦略、DSED戦略、ベクトル変化(VC:前側左右のパッドを前後に貼り替える)戦略を実施するクラスターランダム化クロスオーバー試験を実施した。
結論
152名が含まれた。DSED群55名のうち49名がDSEDを受け、VC群61名のうち51名がVCを受けた。VF停止率は、通常戦略群66.6%、DSED群76.3%、VC群82%であった。自己心拍再開率はそれぞれ25.0%、40.0%、39.3%であった。
評価
対象患者の稀少性にもかかわらず、クラスターランダム化手法による検証が可能であることを示し、さらに期待通りDSED群でVF停止率・ROSC率が高い傾向も認められた。DOSE VF本試験も1000名近い登録を目指して現在進行中である。