市中肺炎疑い小児での抗菌薬、転帰改善せず
Antibiotic Use and Outcomes in Children in the Emergency Department With Suspected Pneumonia
背景
小児肺炎ではウイルス性肺炎の頻度が高いが鑑別は困難で、経験的治療を必要とするシチュエーションもある。Cincinnati Children’s Hospital Medical CenterのLipshawらは、救急から退院となった市中肺炎疑い小児患者の前向コホートにおいて、抗菌薬の投与と治療失敗(入院、再受診での抗菌薬変更など)との関連を調査した(n=337)。
結論
294名が傾向スコアによりマッチングされた。抗菌薬を受けた児と受けなかった児の治療失敗率に、統計的差はなかった(オッズ比1.0)。入院率はそれぞれ3.4%、3.4%、再受診時の抗菌薬開始または変更は4.8%、6.1%で、両親報告QOLにも差はなかった。
評価
外来管理が可能な肺炎疑い小児では、抗菌薬なしでも安全であることが示唆された。ただし本研究は(ウイルス性の可能性が高い)乳幼児が多く、より年長の集団にも一般化可能かは不明である。


