COPD増悪では抗菌薬と全身ステロイドが有効:系統的レビュー・メタ解析
Pharmacologic Therapies in Patients With Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Systematic Review With Meta-analysis
背景
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者はたびたび増悪を経験し、薬物療法として気管支拡張薬・コルチコステロイド・抗菌薬などが用いられる。Mayo ClinicのDoblerらは、システマティックレビューにより、外来・救急・院内およびこれらの混合セッティングでCOPD増悪成人患者への薬物介入を検証したランダム化比較試験を特定、メタアナリシスを行った。
結論
抗菌薬治療は、プラセボまたは抗菌薬なしと比較して、寛解日数の増加(オッズ比2.03)、治療失敗の減少(0.54)と関連した。全身コルチコステロイド治療は、プラセボと比較して、治療失敗日数の減少と関連したが(0.01)、全有害事象・内分泌関連有害事象は増加した。アミノフィリン、硫酸マグネシウム、抗炎症薬、吸入コルチコステロイド、短時間作用型気管支拡張薬については、エビデンス不足または有効性が確認されてない、もしくは肺機能の改善のみが示されている状態であった。
評価
抗菌薬と全身ステロイドが重症度に関わりなく有効であることを確認したが、驚くべきことに、薬物療法ABCのひとつである気管支拡張薬の吸入について利用可能なエビデンスはほとんどなかった。