急性ウイルス性細気管支炎への生食ネブライザー吸入が有望:メタ解析
Evaluating the Placebo Status of Nebulized Normal Saline in Patients With Acute Viral Bronchiolitis: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
急性細気管支炎では、さまざまな薬剤のネブライザー吸入療法が試みられてきたが、確立された吸入療法はない。Children’s Hospital at Dartmouth-Hitchcock Medical CenterのHouseらは、システマティックレビューにより2歳以下の細気管支炎で生理食塩水ネブライザー吸入療法を他のプラセボと比較したランダム化比較試験を同定、生食ネブライザー吸入が呼吸指標にもたらす影響を評価するメタアナリシスを実施した。
結論
1,583児を含む29件の研究が含まれた。他のプラセボ(経口プラセボまたはテント内でのミスト)を比較した3件の研究では、生食吸入により治療60分後の呼吸スコアが有意に低下した(標準化平均差−0.9ポイント)。呼吸数、酸素飽和度には差がなかった。生食吸入をプラセボとして用いた試験では、生食吸入後に呼吸スコア(加重平均差−1.6ポイント)、呼吸数(加重平均差−5.5回/分)が改善した。
評価
これまで多くの臨床試験で対照プラセボとして用いられた生食に、それ自体効果があるというストーリーを検証したメタ解析で、生食が不活性プラセボとは言えない可能性を強く示唆した。