末梢静脈カテからの昇圧剤投与は安全か:系統的レビュー
Safety of peripheral administration of vasopressor medications: A systematic review

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Emergency Medicine Australasia
年月
November 2019
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開始ページ
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背景

末梢静脈カテーテルからの昇圧剤投与は血管漏出のリスクがあり、かつては中心静脈カテーテルからの投与が必須であった。オーストラリアRoyal North Shore HospitalのTianらは、成人での昇圧剤投与を検証した前向・後向研究を検索し、末梢静脈・中心静脈カテーテルによる昇圧薬投与の安全性を評価するシステマティックレビューを実施した。

結論

7件の研究、1,382名の患者が含まれた。投与薬剤は、ノルアドレナリンが最も一般的で(702回)、フェニレフリン(546回)、ドーパミン(108回)が続いた。投与時間は平均22時間であった。血管外漏出は3.4%の患者で発生した。組織壊死や虚血エピソードは報告されず、血管外漏出も管理可能であった。

評価

近年の報告では、末梢静脈カテーテルでも血管外漏出や重大な合併症のリスクはかなり低いと見積もられており、過半が末梢静脈からのノルアドレナリン投与を受けたCENSER試験でもプラセボ群と合併症率は変わらなかった。この系統レビューからも末梢静脈投与のリスクは許容可能な範囲と考えられた。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)