ICU人工呼吸患者を無鎮静で管理可能か:NONSEDA試験
Nonsedation or Light Sedation in Critically Ill, Mechanically Ventilated Patients
背景
人工呼吸を要するICU患者では、1日1回の鎮静中断(daily interruption)が持続鎮静に優ることが実証されているが、無鎮静での管理は可能か。デンマークOdense University HospitalのOlsenらは、スカンジナビア8施設のICU人工呼吸重症患者を、無鎮静または鎮静中断を伴う浅鎮静(RASSで−2から−3)に割り付けるランダム化比較試験NONSEDAを実施した(n=710)。
結論
APACHE IIスコアが無鎮静群で1高かったことを除き、両群のベースラインは同等であった。90日死亡率は、無鎮静群42.4%、浅鎮静群37.0%であった(非有意)。ICU不要日数、人工呼吸器不要日数に差はなかった。血栓塞栓イベントは無鎮静群で少なかった(0.3% vs. 2.8%)。
評価
Daily interruptionの有効性が実証されて以降、鎮静緩和が近年のトレンドとなっている。この試験では無鎮静の優位性は示されなかったものの、アウトカムに大きな差はなく、適切なモニタリングが可能な高品質ICUにおいては無鎮静もオプションとして実現可能とみることが出来そうだ。