ARDSへの早期デキサメタゾン投与で死亡率低下:DEXA-ARDS試験
Dexamethasone treatment for the acute respiratory distress syndrome: a multicentre, randomised controlled trial
背景
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)におけるステロイドの有用性は、多くの臨床試験で検討されてきた。スペインHospital Universtario Dr NegrinのVillarらは、同国17のICUにおいて、中等症/重症ARDS患者を即時デキサメタゾンまたはルーチン治療に割り付ける多施設ランダム化比較試験を実施した。
結論
予定の88%(277名)を登録した時点で、試験は中途終了した。人工呼吸器不要日数は、デキサメタゾン群で長かった(群間差4.8日)。60日死亡率はデキサメタゾン群21%、対照群36%であった。有害事象発生率に差はなかった。
評価
このテーマでは最大となる試験である。過去ARDS Networkによる試験では後期ARDSへのステロイド有用性を認めなかったが、この試験では15%の大きな死亡率低下効果を示した。