ARDSへの早期デキサメタゾン投与で死亡率低下:DEXA-ARDS試験
Dexamethasone treatment for the acute respiratory distress syndrome: a multicentre, randomised controlled trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Lancet Respiratory Medicine
年月
February 2020
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開始ページ
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背景

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)におけるステロイドの有用性は、多くの臨床試験で検討されてきた。スペインHospital Universtario Dr NegrinのVillarらは、同国17のICUにおいて、中等症/重症ARDS患者を即時デキサメタゾンまたはルーチン治療に割り付ける多施設ランダム化比較試験を実施した。

結論

予定の88%(277名)を登録した時点で、試験は中途終了した。人工呼吸器不要日数は、デキサメタゾン群で長かった(群間差4.8日)。60日死亡率はデキサメタゾン群21%、対照群36%であった。有害事象発生率に差はなかった。

評価

このテーマでは最大となる試験である。過去ARDS Networkによる試験では後期ARDSへのステロイド有用性を認めなかったが、この試験では15%の大きな死亡率低下効果を示した。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)