敗血症患者でも生食より調整晶質液:SMART試験の二次解析
Balanced Crystalloids versus Saline in Sepsis. A Secondary Analysis of the SMART Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
年月
December 2019
200
開始ページ
1487

背景

SMART試験は、学術センター内の5つのICUの成人患者(n=15,802)において、生理食塩水または調整された晶質液(乳酸リンゲル液かPlasmaLyte A)を比較するクラスターランダム化試験であり、調整晶質液が重大腎イベントを減少させることを示した。Vanderbilt University Medical CenterのBrownらは、同試験の敗血症患者を対象とした二次解析を実施した。

結論

内科系ICUに入室した1,641名が敗血症と診断されていた。30日院内死亡率は、調整晶質液群26.3%、生食群31.2%であった(調整オッズ比0.74)。調整晶質液群では30日以内の重大腎イベント発生率が低く(35.4% vs. 40.1%)、昇圧剤不要日数が長く(20日 vs. 19日)、透析不要日数も長かった(20日 vs. 19日)。

評価

二次解析ではあるが、敗血症集団では調整晶質液により、腎イベントだけでなく死亡率も低下することを示した。同テーマでPLUS試験が進行中である(NCT02721654)。

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大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)