敗血症患者でも生食より調整晶質液:SMART試験の二次解析
Balanced Crystalloids versus Saline in Sepsis. A Secondary Analysis of the SMART Clinical Trial
背景
SMART試験は、学術センター内の5つのICUの成人患者(n=15,802)において、生理食塩水または調整された晶質液(乳酸リンゲル液かPlasmaLyte A)を比較するクラスターランダム化試験であり、調整晶質液が重大腎イベントを減少させることを示した。Vanderbilt University Medical CenterのBrownらは、同試験の敗血症患者を対象とした二次解析を実施した。
結論
内科系ICUに入室した1,641名が敗血症と診断されていた。30日院内死亡率は、調整晶質液群26.3%、生食群31.2%であった(調整オッズ比0.74)。調整晶質液群では30日以内の重大腎イベント発生率が低く(35.4% vs. 40.1%)、昇圧剤不要日数が長く(20日 vs. 19日)、透析不要日数も長かった(20日 vs. 19日)。
評価
二次解析ではあるが、敗血症集団では調整晶質液により、腎イベントだけでなく死亡率も低下することを示した。同テーマでPLUS試験が進行中である(NCT02721654)。


